ロボットの骨格を作る その1
子供のころ、クインジェットのようなSF的乗り物と並んで作りたかったプラモデルはヒト型のロボットでした。ガンプラがブームになるはるか以前の時代で、ロボットのプラモデルというとモーターとギアを内蔵して脚を前後に動かして行進するタイプばかりでした。動くのは動くで楽しいのですが、かたちとしては本物(?)のロボットに遠くおよばない不格好なものです。当時、男の子用の人形のおもちゃで20か所(だったかな)の関節が動くGIジョーというのがあって、子供心にプラモデルでもGIジョーみたいに手足の関節が動くロボットがあればいいのにと思ったものです。
それから半世紀のときが流れ、CADソフトと3Dプリンターのおかげで個人がオリジナルのプラモデル(PLAモデル?)を制作できる環境が整いました。子供のころの夢を実現するのは今、というわけでわが市田屋工務店においてもオリジナルロボットの制作プロジェクトをスタートさせました。ゆくゆくは変形・合体が可能なスーパーロボットを開発したいところですが、その道のりは遠く、まずは関節部が可動するロボットの骨組み作りに挑戦しているところです。
Thingiverseにあるロボット的なもののモデルをみると球体(オス型)とそれを包むお椀のような部分(メス型)とで構成するボールジョイントで関節部を作っているものが主流のようだったのでわがロボット骨格の試作1号機の関節部にもボールジョイントを採用することにしました。ボールジョイントの場合、オス型をメス型にパチンと押し込むことになるので、メス型が緩すぎるとジョイントの役目をはたせないし、きつすぎるとオス型を押し込めないし力を入れすぎるとメス型が壊れてしまいます(下図参照)。
専門家なら材料の特性なんかから最適な形状を計算できるのでしょうが、こちらにはそんな知識がありません。オス型の球形部の大きさやメス型のお椀の形や厚さを いろいろ変えて試行錯誤を繰り返しました。
Adventure3で同じモデルを出力しても、造形物の向き(縦置きか横置きか)やサポート材の有無によって各部の大きさに微妙な差異が発生します。ロボット全体をできるだけコンパクトに作りたいのでボールジョイントもできるだけ小さくしたいのですが、あまり大きさの誤差が大きくなると組立の際の歩留まりが悪くなります。今回はオスジョイントの球形部の直径を5mmにして(もう少し大きくしたほうがよかったかも)、以下のようなモデルを作成しました。
このボールジョイントのモデルを使って手足や胸、腰などの骨格のパーツを作成、ヒト型のモデルを組み上げました。
Adventure3で出力してみました。無骨な 感じですが関節を曲げてポーズをとることができます。
ただ、肩の関節をもう一つつけないと人間と同じようなポーズがとれない(現状だと「前へならえ」ができない)ことが判明。関節を曲げる角度によっては位置を固定できずだらんと垂れてしまうことがあることもわかりました。いろいろ課題はありますがこれから改良を続けていくつもりです。