3Dモデルをいろいろ作ってみたい

3Dモデルをいろいろ作ろうとがんばっています。苦労した点、役に立ちそうな情報を発信していきます。

ロボット骨格に不具合発生、このまま量産化したらリコール?

ここのところロボット骨格にとりつけるボディアーマーの試作を続けていたのですがその過程でトラブルが発生...

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破損したロボット骨格

肘や膝の部分に使っていた車軸ジョイントの軸が折れて手足が外れるという事象が立て続けに発生したのです。

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折れた車軸関節の軸

関節の曲げ伸ばしをくりかえしているうちに疲労破壊が起こったと推察されます。PLAはABS樹脂などに比べて靭性が低いし、現状の3Dプリンタの出力では疲労破壊のトリガとなる表面や内部の細かい欠陥も避けられない、という意味では当然の結果ともいえます。ソフトウェアだと一度動いたコードは同じ状況で動かすかぎり何億回動かしても同じように安定した結果を返してくれるのですが、物理的なモノが何年か先まできちんと動くようにするって難しいですね。冗談で家電製品なんかが保証期間が過ぎたとたんに壊れるなんて言いますけど、これってある意味すごく緻密な設計をしているってことなんだと思います。

試作段階でわかったからよかったものの、もしこのまま量産化していたら大量のリコール発生となっていたでしょう。弱小企業の市田工務店としては倒産しかねません。

 車軸の耐久性は3D出力のときのパラメータ(積層方向やPLAの充填率)を変えることでも改善できそうですが今回はPLA以外の素材を使うアプローチをとってみました。購入したのは以下のようなシリコンチューブ(外径4mm、内径2mm)です。

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購入したシリコンチューブ

これを適当な長さに切って車軸関節の穴(直径4mmでモデリングしている)に押込みます。

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関節にシリコンチューブを差し込んだ状態

さらにシリコンチューブの穴に直径1.5mmのピンを差し込んでチューブが簡単に抜けないように固定します。シリコンゴムを緩衝材に使うことでピンが折れてしまうのを防ごうという目論見です。

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ピンを差し込んでシリコンチューブが抜けないようにする

今のところ関節の可動域や位置の保持力は問題ありません。耐久性が改善されたかどうかはしばらく様子を見て判断したいと思います。