ボディアーマーの作成 -初めてのサーフェスモデリング-
ロボット骨格の量産化に挑戦
Adventurer3でPETGフィラメントでのの出力がだいぶ安定してきたので連続印刷モードはオフにして複数部品をまとめて出力してみました。
本体だけでなくサポートの印刷スピード(別パラメータだということに最近気づいた)も遅くしたのがよかったみたいです。ラフト印刷中にまだ脱調が発生しているようでトントンと音がするのは気になるのですが、出力されたものの品質には問題なさそうです。
時間はかかるけどほおっておけばまとまった数の部品ができるので、先日のロボット骨格をもう2体作ってみました。子供のころの夢、お気に入りのプラモデルを何機も作って部隊を作りたい、そして押入れの奥の秘密基地に並べる、というのを実現したかったのです(秘密基地はまだありませんが)。
ロボット骨格を再モデリング
なかなか先に進めない、とぼやきながらまたロボット骨格をモデリングしなおしました。パラメータの設定に四苦八苦しながらPLAからPETGフィラメントに切り替えてパッチンとはめ込むスナップインの機構を作りやすくはなったのですがまだ気に入らない点があったからです。
気に入らない点その1は剛性不足。同じ3DモデルでもPLAで出力した場合に比べて腕とか脚がちょっと強くつまむとふにゃっという感じでなんかたよりない。腕と脚のパーツを全体に太く設計しなおしました。
気に入らない点その2は関節の保持力不足。スナップインのボールジョイントは手首、足首ならまだしも肩や股の部分に関してはポーズを保持するにはやっぱり力不足でした(それじゃPETGに変えた意味ないじゃん、と言われそうですが)。肩と股のつけ根の関節(2自由度が必要)についてはシリコンチューブと使った一軸ジョイントを2つ組み合わせて実現することにしました。
Adventurer3で出力(白色のPETGフィラメントを使用)した結果は以下のようになります。
部品の数は多くなって組立がめんどうですがポーズの保持力は増した気がします。
3Dプリンタの不調がやっと解決
最近2週間ほどAdventurer3の調子が悪くて全く3D出力ができませんでした。何回かFlashForge社に問い合わせて今日になってやっとどうにか解決しました。
最初のトラブルは下の写真のように出力中にフィラメントのガイドチューブがはずれてしまうというものでした。
こうなってしまうとエクストルーダーがフィラメントを押し出してもノズル部分まで達しないので出力ができなくなってしまいます。フィラメントのロードもできません。対処方法としては
1. ガイドチューブの先、ヘタっている部分を切り落として接続しなおす
2.エアチューブジョイントを交換する
の2点だといわれましたが、私の場合1だけでは改善が見られずエアチューブジョイントの交換となりました。
なんでこの部品が壊れるのか、はっきりとはわからないのですがPETGフィラメント用の設定を探る過程でフィラメント送り出しのモーターで頻繁に脱調が起こっていたのが関係しているのではないかと疑っています。
エアチューブジョイントを交換してフィラメントのロードはできるようになったのですが、次は出力の途中で「リールエラー」が発生して止まってしまうという状況に陥りました。これはエクストルーダー内のフィラメント感知スイッチの誤動作が原因だというネット上の記事があり、スイッチのバネを調整するとよいとのことでした。
バネの反りかたが微妙に違うという程度ですが、幸いこのくらいの調整でリールエラーは発生しなくなりました。
PETGフィラメント製ロボット骨格に色を塗ってみた
前回の投稿後、麦茶さんのツィートで連続印刷という機能があることを知り試してみました。
https://twitter.com/darkmatter159/status/1274682952186621954
連続印刷をオンにすると読みこんだSTLファイルごとに順に出力を行ってくれるので造形の品質が安定します。前に出力した造形物と印刷ヘッドの動きが干渉すると出力できないのであまり背の高いモデルは出力できません(スライスの時点で拒否される)が、長時間かけて出力してみた結果が造形物がゆがんでいたりくずれてしまったりということが無いのでストレス無く作業することができます。
モデルは少し変えて関節部は全てスナップフィットで組立てられるようにしています。
出力したものをそのまま仮組みした状態(下図左)だとポーズの保持力がやや弱い感じですがUVレジンを塗って着色してから組むと(下図右)だいぶしっかりしてきました。
こんなふうにポーズもとれます。
前回着色にはガンダムマーカーを使ったのですが、今回はPOSCAを試してみました。両者で発色にそんなに差は無いと思うのですが、どちらを使った場合もペン1本では骨格全体を塗り切れないというのが問題です。結果、青、赤、黒がセンス悪く混ざりあった配色になててしまいました。コストを考えたらアクリル絵具とかで筆で塗ったほうがいいかな(有機溶剤は使いたくない)とも感じています。
PETGでの出力 -継続中-
PETGフィラメントで出力がいちおうできるようになったところで、再びボールジョイントのモデリングと出力に挑戦しています。そうそう、ノズルも0.3mm径に変更しました。温度較正を行った以外はとくに0.3mm用の設定というのは行わないで使っています。
一部ではPLAとABSのいいとこどりのような言われてかたをしていたPETGですが、PLAより弱い力で曲がってくれるけどPLAよりずっと弱い力で折れてしまうというのが出力してみての印象です。ボールの大きさとかボールを包みこむお皿の部分の肉厚とかいろいろモデルを変えて試しているところです。
ちなみにですが、PLAではサポート材の形状は枝型にしていたのですがライン型のほうがサポート材がきれいにはがれるようです。
目標は全ての関節やアーマーパーツをスナップフィットでパッチンとはめ込みで組立できるようにすることです。
ロボット骨格をPETGフィラメントで出力してみた
今まで3Dモデルの出力にはPLAフィラメントを使っていたのですが、PETGフィラメントを試してみました。靭性に乏しいPLAでパチンとはめ込むタイプのボールジョイントを作るべくいろんな形状を試作したもののうまくいかず、さりとてABS樹脂は発がん性とか融解時に発生するガス(臭い)が気になって使う気になれず、というところにFlashforgeのオンラインストアで「破壊伸び率は普通のPLAの50倍以上」という宣伝コピーを見つけ購入しました。
スライサーソフト(FlashPrint)にはPETG用の設定プロファイルが無かったので設定をいろいろ試しながらとりあえずPLAで作っていたのと同じように形状を出力できるところまでたどり着いたところです。
2つのロボット骨格は個々のパーツの形状に多少の違いはあるものの全体の構造(部品数やシリコンゴムのチューブを使った関節の実装)は同じものです。
PETGで出力した結果はこんな感じ。PLAと比べると全体に糸引きが多い印象ではあります。「糸引きが多いのはヘッドの温度が高過ぎるからだ」というような説明をどっかで見たのですが、私の場合ヘッドの温度を下げると出力した樹脂のプラットフォームへのくいつきが悪くなってしまいまともに造形できなくなってしまうので240℃目いっぱいの高さに設定しています。
糸引きはあってもヤスリで簡単に削除することができます。PLAで出力したときに比べてラフトやサポート材の痕もちょっとヤスリがけすることで消すことができ、この点は「PLAよりも加工しやすい」という謳い文句のとおりです。細かい形状についたサポート材を切り離そうとして本体部分にまで亀裂がはいってしまう、なんてこともだいぶ減りました。
設定の主なは変更点は以下のとおりです。
【追記】
Flashforge社のサイトで対応策を見つけたので試してみました。
ヘッドを移動するたびにいったんフィラメントを引き戻していたんですね。知らなかった...
出力してみて糸引きが劇的に改善されたかというとそうでもないのですが、感覚的には若干少なくなったような気がします。また、設定である程度の高さまで出力が進んだらヘッドの温度を下げることができるようなのでそれも試しています。
私の環境(プラットフォームに住友3Mの透明保護シートを貼りつけている)ではプラットフォームに造形物をしっかり固定するために240℃でないとだめだったのですが、ラフトの厚み+1,2mmまで造形できれば後は温度を下げても問題ないだろうと判断しました。今のところこれで不都合は生じていません。
しばらく、この設定でPETGの出力を続けていきます。