3Dモデルをいろいろ作ってみたい

3Dモデルをいろいろ作ろうとがんばっています。苦労した点、役に立ちそうな情報を発信していきます。

立体地図を作る -ZBrushで行う作業あれこれ-

近畿地方の7府県について水平方向222万分の1、垂直方向70万分の1の縮尺で立体地図を造形しなおしました。縦方向の高さが横方向よりも3倍ぐらいに強調されていることになります。せっかく立体地図を作るのだから山や谷の凹凸をはっきりさせたい、一方で全国をこの縮尺で作ったとき富士山のコニーデ型のシルエットは残したいという2つの欲求のせめぎあいでこの線に落ち着きました。

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近畿7府県の立体地図

今回はOpenSCADを使わずに自作のスクリプトでOBJファイルを生成しています。おかげで面積の広い兵庫県などもデータを分割せず一発で生成することができました。また、今回は各ピースの裏側(底面)を少し押し込んだ上(材料を少なくすると若干安く造形できる)で府県名を押し出しで表現しました。

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近畿7府県(裏側)

後は今まで記録していなかったZBrush作業上の注意点などを..

JAXA国土地理院から取得した地形データをOpenSCADや自作のGenObjスクリプトを使ってそのまま3Dモデルに変換すると、海岸沿いの小さな島が陸地とは別れてしまったり、内陸でも標高が海抜以下の場所に穴が開いてしまったりします。これでは地図パズルのピースとしては都合が悪いので、現状ではOBJファイルをZBrushに取り込んだ後に手作業で修正しています。

下の図で青色で囲った部分は微小部分がピースから別れてしまうので事前に削除しておきます。Subtool->Split->Split To partsで別々のサブツールに分離した後でDel Otherで本体以外のサブツールを削除します。黄緑で囲った部分はメッシュ1個分(計算上0.25mm×0.25mm)の幅でつながっていたり突出している部分です。造形した後での強度が心配なのと他のピースとのはめ合わせに余裕をもたせたいという理由からこれらも削除しています。該当部分をマスクしてから、Subtool->Split->Split Masked Pointsで分離、本体以外の部分を削除します。削除した部分には穴が開いているので、Geometry->Modify Topology->Close Holesで穴をふさぎます。

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手作業での修正対象の例

(赤枠で囲った)穴が開いている部分については面としては閉じているのでまず穴の4個の側面を削除(ZModeler Polygon ActionsのDeleteを使います)してから上下の穴を塞ぎます。

 底面を少し押し下げた後でText 3D & Vector Shapesのプラグインを使って府県名の文字列を作成、地図本体とMergeします。

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底面の押込みと名前の付加

 山の部分が四角形のメッシュの単位でカクカクなるのがいやなので最後にスムージングかけています。いろんなやりかたを試していますが、いまのところはResolution=400ぐらいでDynamesh化を行っています。